pleetm's blog

日々考えた事や読んだ本について書くブログです。自分の書いたことって相手にどう伝わるのか、興味があるので、お時間ある方はコメントしていただけると嬉しいです。このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。

2020-01-01から1年間の記事一覧

芸人迷子(ユウキロック)

よみました。 M-1グランプリの決勝進出も決まり、また熱い戦いが繰り広げられます。 M-1グランプリが始まってから、お笑いがスポーツ的になってきたように思います。 本来争うことができるものではないはずの「笑い」というものを競う大会。 それによって、…

喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima

読みました。 正直に生きることの尊さ、対象にまっすぐに向かい合うことを思い出させるような小説でした。 理系で研究に携わったことのある人は懐かしさをかんじるかもしれません。そうそう、この感じわかるなぁ、と思います。研究を通じて、発見に自分が一…

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬

読みました。 オードリー若林の旅行記。 もはや若林さんとちゃんと呼ぶべき作家さんかと思いました。 キューバでは「命を使って生きる」ことの大事さを、自分が苦しんでいたのは、日本の「世間」という名の信仰であったこと、そして、彩り豊かに生きていくた…

シン・ニホン

読みました。 ここまでしっかりとデータに基づき議論をする土壌が日本にはなかなか根付いていないのが残念でしょうがないです。政策立案というのは、データと分析を積み上げて形成されるべきだと思うのですが、なかなかそうはいっていないような気がします。…

第2図書係補佐

読みました。 又吉さんの書評をまとめたものです。 又吉さんの小説「劇場」に出てくる一説と同じようなところもあり、読書する中からいろんな想像を膨らませているのだと思いました。 面白いのは、本の内容に関する批評を書いていないことです。本を読んで、…

太陽と乙女

よみました。 森見登美彦さん好きなら読んで楽しいこと間違いなしです。 本人はエッセイ苦手と言ってるけど、めちゃ面白いとおもいますし、小説の種になることをこんな風に見つけているんだ、とその観察する角度や深度がとても面白いです。 森見さんの原点は…

書きあぐねている人のための小説入門 (中公文庫)

読みました。 小説とは何か。ひとはなぜ文章を書きたいと思うのか。 本書ではそれがどこまでも個人的な行為である、ということをさまざまな観点から述べられています。小説の原型となるのは、「個」が立ち上がってくるところから。つまり、小説は何か、伝え…

落日燃ゆ

読みました。 昨日8月15日が終戦の日でした。 今年戦後75年を迎え、日本が戦争をしていた、ということを考える空気感がなんとなく薄らいでいるような気がしています。その当時、何が本当にあったのかを知ろうとすることが今の日本で起きていることを知…

非社交的社交性

読みました。 おそらく誰もが自分の気にいる人とできるだけ多く関わり、気に入らない人とはできるだけ距離をおいて暮らしていきたいと思うのではないでしょうか。その思いと同時にそれがどれだけ難しいことかということも痛感しているのではないでしょうか。…

サロメ(原田マハ)

読みました。 皆さんはどうしても欲しいものがあるでしょうか?そしてそれがどうしても手に入らないものだとしたら、それを納得して受け入れることができるでしょうか。それを手に入れようとしてやったことが逆効果だったということを、どこで選択を間違った…

Ank: a mirroring ape

読みました。 読み易く、面白かったです。 グングン引き込まれて次へ次へと読まされるのですが、文章の筆致というのでしょうか、地の文はすごく端正というか落ち着いていて、雑ではない、そんな筆者の丁寧に描写しようとする意図がすごく感じられます。 それ…

勉強の哲学

読みました。 これを中高生の時に読んでいたら、勉強することが何かで迷わなかったと思う。ぼくは勉強していてもな「なんでこれをしてるんやろう?」と思いだしたらそっちに行ってしまって、今やっているのが何に役に立ちうるのか、どう社会に適用できるのか…

僕ならこう考える―こころを癒す5つのヒント

読みました。 僕は割に吉本隆明って人が好きで、難しいと言われているそうなのですが、自分にとっては全くと言っていいほど、わからない部分はないと感じます。もちろん、それは自分の思い込みだったりして、わかっていない部分もあるのだと思うけどちょっと…

なんで僕に聞くんだろう。

読みました。 幡野さんは写真家だそうですが、がん患者でもあるそうです。そんな幡野さんが日本中から寄せられる質問に自分なりに応えている本です。ただ、写真家だから、がん患者だからというところから本書を読むと大事なことを見落としてしまうと思います…

よみがえる力は、どこに

よみました。 城山さんは戦中派(10代の多感な頃に終戦を迎えた世代)です。これまでの常識がひっくり返る、という非常に稀有な体験をされている世代と考えることもできて、この世代の方の特徴として、「自分で考え抜く」ということがあると思います。それは…

おとなの進路教室

よみました。 自分が何をしている人間なのか、話さないと伝わらない。ただ、話したところで、正しく伝わるわけでもないし、誤解されることもある。だからと言って、何も言わなければ何も始まらない。とすると、誤解は恐れず、おもったことを言わねば、となる…

居るのはつらいよ

よみました。 なにかドラマチックなことが起きるわけではない、だけどぐいぐいとひきこまれ、読みながら終盤にはしらずしらずに心臓の鼓動が早くなっていました。それは、居る、ということがどれだけはかなくて、難しくて、脆いかをひしひしと感じ、居ること…

2020年6月30日にまたここで会おう

すごくライブ感のある本でした。1~2時間あれば読み終われてしまいます。 とはいっても中身はすごく凝縮されていて、ズバッと核心をついて、その熱量が伝わってきます。 一番面白いとおもったのは、カリスマやすべてをひっくり返してしまうような形のリー…

そうか、君はもういないのか

小説家?文筆家?である城山三郎さんの本。 自分の妻である、容子さんとのエピソードを綴られています。 本書の中で容子さんはとても愛くるしく、描かれており、城山さんは容子さんのこの天真爛漫さにいくら救われただろう、その屈託なく生きる感じがいくら…

縄紋

読みました。 縄文ではなく縄紋。そこにも意味はあるのですが、それは読んでみるとわかると思います。話は東京を舞台としたミステリー。東京の各地にのこる縄文時代の名残を追いながら、ある殺人事件との関係が読み解かれていきます。 その殺人事件のほうは…

ハジの多い人生

読みました。 岡田育さんという方のエッセイ集です。 本名は岡田育子さんですが、こういう活動をしている時のお名前は子をとって名乗っているとのこと。 名前についてのお話もこの本には書かれています。 この本のハジというのは恥では無く、端の意味。 いわ…

男は語る アガワと12人の男たち

読みました。 阿川佐和子さんのインタビューです。いろんな作家さんたちにお話を聞き、それぞれの考え方や哲学を掘り下げていきます。インタビュー時期自体はかなり前のようで、今では人から話を聞くプロである阿川さんも、色々試行錯誤されていたところが正…

真贋(吉本隆明)

読みました。 短い論考をまとめたもの。 短いけれど、それぞれ真に迫ったことが書かれていると思います。 いろんなジャンルのことについて書かれていますが、なぜ本を読むのか、特になぜ文学を読むのかについては興味深かったです。 指摘されているのは、文…

心とお話のゆくえ

読みました。河合隼雄さんの本は読むたびに改めてそうだよなぁと思わせられることが多いです。 だいたい頭ではわかっていることであっても河合さんが言うとなんか説得力があるのがすごく不思議です。 落とされたと落ちたの話は面白かったです。 落とされた、…

意識のリボン

読みました。綿谷りささんの短編集です。 どれもおもしろかったのですが、「こたつのUFO」が好きだったかな、と思います。 一人の頭の中の思考をずっと覗いているような文章でした。 一人で脳内会話しているのですが、それが退屈ではなく、ずっと読めてしま…

パーマネント神喜劇(新潮文庫)万城目学

読みました。 神様の世界という、普段は除けない世界を 覗かせてもらった気がしました。そんな神様の世界も完璧でなく、上下関係があったり、評価にあたふたしたり。 そんな神様たちも人間の行動に驚かされたり、感心したり、神様の世界もこんなのかぁと想像…

緊張をとる

皆さんは、大事な緊張するでしょうか?ここ一番の会議でのプレゼン、失敗の許されないプロジェクト、などなど。 本書では、いろんなエクササイズを通じて緊張するとはなにか、どうすれば緊張しない境地にいくことができるかということが、ドラマ仕立て、対話…

京大総長、ゴリラから生き方を学ぶ (朝日文庫)

読みました。 おもしろいです。京都の雰囲気なんかが身近な人にとってはより面白いのではないでしょうか。 総長なのは知っていましたし、ゴリラの人だな〜とは思っていましたが、どんな風に過ごされてきたのかは知らなかったので新鮮でした。 本書ではゴリラ…

子どものための哲学対話

よみました。 哲学って何だろう。考えるって何をすることなんだろう。勉強することとどう違うんだろう。小さいときにそういうことを何気なく疑問に思った人も多いのではないでしょうか。 この本は、小さな子供だけでなく、何かに迷ったり、悩んだりしている…

私をくいとめて

綿矢りささんの小説です。 彼女の小説を読むと、同じことかけそうで書ける人は二人としていない、と強く思わせられます。 それは、なんてことのない日常を切り取っているのだけれど、そのリアリティや切り取り方が他の人の追随を許さないものになっているか…