読みました。
本省に勤める課長補佐が主人公。
麻雀に溺れ、借金を重ねていく中である殺人事件が起きる、という話。
その心理描写が面白いと思いました。
物事を決めるとき、見栄や、周りの雰囲気など、自分の単純な意思だけでないものに影響されて決定するということは、多かれ少なかれ誰にでもあるのだとおもいます。
そういうあいまいな部分によってこそ、その人が作られているのだと感じるし、この小説ではその曖昧さの振り幅を大きく描くことで、自分もこんなことをしてしまうのではないか、と感じてしまいます。
そして、それが良い方向に転ぶか、悪い方向に転ぶのかも実はよくわからない、いうのが我々が生きている現実なのではないか、と思いました。