pleetm's blog

日々考えた事や読んだ本について書くブログです。自分の書いたことって相手にどう伝わるのか、興味があるので、お時間ある方はコメントしていただけると嬉しいです。このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。

小説の読み方、書き方、訳し方 (河出文庫) 作者:柴田元幸,高橋源一郎 河出書房新社

読みました。

柴田元幸さんは翻訳家、高橋源一郎さんは小説家。

それぞれの考え、立場から、小説を読むとは、書くとは、訳すとは、のそれぞれについて、また、相互の関係についての対談です。

もし、小説を読みたいがどの小説から読めばいいのかわからない、と感じる人がいるとしたら、本書のおすすめ本を手に取ってみて、そこから自分の興味の入り口を探っていくことができるような気がします。いわゆる王道的な作家はあまり紹介されていない印象は受けますが、一方で、日本の小説の系譜のようなものが網羅されていると思います。僕自身読んだことのない本がいくつも紹介されており、読むものに困った時はとても参考になると思いました。

自分が好きな作家、読んだことのある作家が言及されていると楽しいものです。自分の感じたものが、小説を「書く」側のひとからみてどのように見えているのか、というのは、なかなか想像のできるものではないと同時に、作家の視点からの分析を聞くと、自分の受けたあの感じはあれなのか、じつはあそこから来ていたのか、という新たな発見をすることができると思います。個人的に気になったところはブコウスキー綿矢りさという二人がすきで、この二人に関するコメントは特に面白く感じました。

ブコウスキーについては、「死をポケットに入れて」を読んだことがあり、僕自身長い間この本をポケットに入れて持ち歩いていたからです。ブコウスキーには嘘がありません。乱暴で粗雑です。でもそれが自分のふっとした気持ちの落ち着きどころを作ってくれるような作家です。

柴田さん、高橋さんの対談から、ブコウスキー綿矢りさはなにもかも違うのだけど、無頼な点が似ていたのかもしれない、と感じました。それでいて、生や死といったものとの距離感の取り方が似ているような気もしました。

なるほど、と思ったのは綿矢りさは、「ある種の文学的な意識から逃れて、すっと来て、すっと書いた」という高橋さんの指摘です。ぼく(たち)が綿谷さんの小説を読むときに感じる透明な感触はこのことだったのかもしれません。その感触は透明だけど、しっかりとした質量を感じる、そんな感じが好きであると同時に、とても不思議だと思っていたので、この箇所を読んだ時、そういうことなのかもしれない、と思いました。

また、柴田さんはこんなことを言っていました。
モヤモヤをそのまま言葉にする。頭を通すことで模範解答みたいにつまらない言葉として出してしまう。

これは、いつも自分自身よく感じるところで、自身の内部にあるものをできる限り忠実に、借り物じゃない言葉で紡ぎ出すことがいかに難しいか、と痛感します。思いを、考えをできるだけそのままの形で、言葉という容器に入れて取り出してみたい。あたまででむりやり言葉に加工するのではなく、身体から見つけ出されるようなやり方で、思いを言葉にできたら、どんなにいいだろう、とおもいます。それはもしかしたらそれが自分の救いになるのではないか、とかんじます。そして、もっとひょっとしたら誰かの救いになるかもしれず、それが小説という形に体現できるのが小説家の才能なのだろうと思います。

Mr. Shibata is a translator and Mr. Takahashi is a author of novels.
They had a dialogue about reading, writing and translating novels.

If you are a person who don't know what novels you should begin with, you might want to read this book as a starting point.  This book will navigate you to a door where you can access the book you should read first.

I was delighted to see who I like to read was referred by them in this book. Especially what interested me was about Bukowski and Risa Wataya, who are some of my favorites.  I have't thought about novels from the perspective of writer, which made me curious about how writers see those two authors.  And after reading this book, it made me conviced about why I felt tranparent weight when I read the book by Risa Wataya.

Last but not least, what is important when outputting word is to find out suitable words to describe not through your brain, but through yourself. This should be difficult, but it might save someone someday.  And one of the forms would be a novel.