pleetm's blog

日々考えた事や読んだ本について書くブログです。自分の書いたことって相手にどう伝わるのか、興味があるので、お時間ある方はコメントしていただけると嬉しいです。このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。

聞く技術 聞いてもらう技術 (ちくま新書) 東畑開人

読みました。

今まで読んだことのある、数ある聞く技術みたいな本の中でもっとも実践的で理論的なものだと感じました。その理由の一つとして、単なる経験から得られたコツだけでなく、それがどうして、そしてどのように臨床的な理論的側面があるか、ということも含めて解説してくれているからです。そして読み解きやすさは、著者の東畑さん自身が何度も言語化しようと悩み、反芻を重ねてきたのだろうということが伝わるような語り口にあるのだろうと思います。専門家でありながら、ひとりの人として向き合うことを忘れない実直さが文章に表れているように感じます。

ぼくたち一人一人ができる小技、というものがたくさん紹介されていて、とても役に立つのですが、そのあたりは興味のある方が読んでいただくものとして、ここでは、その根底に流れているであろう、人との向き合い方、みたいなところを書いておきたいと思います。

 

キーワードは安心と理解です。理解とは改めて説明するまでも必要なく、相手の気持ちをわかる、といった類のものですが、さらにもう少し実践的な理解とは何か、と考えてみると、それは、気持ちをいったん預かる、ということなのではないか、と思いました。聞いて欲しい人は理解して欲しい、理解されないから不安なのだけど、それは、もっと言えば、いったん寄り添って欲しい、自分はそんなにおかしいわけじゃないんだ、ということを他人から返して欲しい状態なのだと思います。それが、この自己責任社会では多分に難しくなっており、それが故に、不安を抱え込みかつそれを吐露できない状態になっているのだとおもいます。だから、完全に同意してもらうかどうかはともかく、いったん預けて、手放したい。その行為が聞く、聞いてもらう、ということなのだと思いました。いったんホテルに荷物を置いておくような感じでしょうか。それだけで、あとで回収しないといけないのはわかっているけど、少し荷がおりますよね。

そのために、聞く側としては何が必要か。
それはたぶん、相手のことを真に受けてみる。ということなのかと思います。日常生活の多くの場面で、僕たちは、相手の言っていることのウラを「聴こう」、としてしまいます。だけど、安心を生むために必要なのは、そういった穿ったことをせず、まずそのまま聞こう、ということなのだと思います。
だから、聞く側は、「それは・・・だからだよ」「そんなのあたりまえだよ」と解釈をせず、いったん受け取ることが大事なのかなぁと思います。ぼくたちはいつでも勝手に考えて解釈をしてしまいがちなので、むしろそれをしないように気をつける、ということなのかもしれません。

そういうことがたぶん、やさしい、ということなのかもしれませんし、東畑さんは「おせっかいに案外ひとは助けられる」と書かれています。

 

ここまで述べてきたように、「聞く」は案外とエネルギーを使うものです。だから、しんどい人はそれより先に「聞いてもらう」そして前に進む、そしたら、いつか誰かに「聞いて」恩返しする。そんな循環を東畑さんは思っているのかなぁと思います。

 


This book is the most useful that I've ever read about 'technique for listening'. This is practical but based of theory throughout clinical experience, which makes the book more convincing than other related ones.

A key to keep in mind is undestanding and relief.  Understanding is interpreted as keeping the other's emotions once.  It is as if you left your baggage at a hotel reception.  You would feel ligher after you leave.  Similarly, you can create a space in your mind by leaving your anxiety on somebody's hand.

For carrying out this, if you were on the side of listening, what would you need?
The first and last thing is to receive his/ her feeling without interpreting.  Mostly we often tend to give some interpretation to someone's word, but it would not be necessary when you listen.  Rather, you see it as it is.  This is easier said than done, but you should keep it in your mind.