読みました。
交渉というとすごく難しく捉えらえそうですが、コミュニケーションに関する本です。
コミュニケーションに関しては、いろんな本が出版されていますが、この本はわかりやすくロジカルな上、相当に核心に迫っているのではないでしょうか。
交渉とは
・合意を目指してやり取りするコミュニケーションである。
・ビジネスで成功するためには、エスタブリッシュメント(金持ち)の支援を得るため、投資の対象としてみなされる必要がある。
・2人以上の人間が集まれば、必ず交渉の必要が出てくる。
→つまり、交渉の練習はいつでもどこでもできるということ、そして相手との合意を得るためには「交渉」が必要だということですね。
では、「交渉」うまく進めるためにはどうすればよいか。
相手のメリットを考える
・相手の具体的なメリットを考える。
・相手のこうすると得するよ、を考える
・相手がこれだけの投資すればこれだけの効果があるよ、ということを考える。
相手のデメリットを考える
・相手の最も困る事態を考える。
・相手がなければ困ることを考える。
自他の利害を分析する
・自分のメリデメ、相手のメリデメを考える。
・そうすると、自分と相手で目的が違っていることがある。
・そんな時は、争点を明確にする。
・争点に「目的」・「手段」のラベル付けと重要度付けを行う。
・自分は重要視しないが、相手が重要視している争点で譲歩する。
・そのためには、どれだけ相手の主張を聞けるか。が勝負
・そのためにには、いろいろな提案をすることで、それがダメな理由を聞き出し、積み重ねることでより正確に相手の選択肢を捉える。
バトナを持つ
・バトナとは選択肢のこと。
・これがあることで交渉を有利に進める。
・そのためには、相手から選択肢を聞き出し、自分もたくさんの選択肢を持つ。
・そうすることで、コモディティ人材にならない。
相手の価値観に合わせる
・相手の価値観は変わらない。
・その価値観の中で合意を得る。
・価値観は6種類
①「価値観と共感」重視のひと:共感的な姿勢で攻略
②「ラポール」重視のひと:共通事項を通じ好意を伝え攻略
③「自律的決定」重視のひと:「自分で決めた」感を演出し攻略
④「重要感」重視のひと:丁寧に敬意を持って対応し攻略
⑤「ランク」重視のひと:高いランクの人をメンバーにし攻略
⑥「動物的」なひと:生理的な感情に配慮し攻略
いろんなコミュニケーションや会話についての本を読んだけれど、自分に足りなかったものはこういうことなのか、と感心させられました。
相手の望むところを察知し、分析し、提案する。そして、相手の満足が得られるところで合意する。たくさんの選択肢を考えるということは、多面的に考えるということ。その多面性が相手を上回れば、相手は魅力に感じるかもしれないし、喜びを得るのかもしれないですね。