読みました。
皆さん、
「考えるって何?」「なぜ勉強するの?」
と考えたことのない人はいないのではないでしょうか?
こんな、自分が言葉にできずにもやもやしていたことについて、非常にすっきりと表現をされています。それほど考えるということに考え抜いたということだと思いますし、真摯に向き合ってこられたのだと思います。そのため、自分にとっても、刺激になることがたくさんありました。
「自分なりに考える」
自分が読者の立場でだした疑問について、著者の立場で答える。これが自分なりに考えるということ。このプロセスをつうじて、書かれたことが自分の血肉になる。
いわゆるクリティカルリーディング(批判的読書)ですね。このことは、様々な本でも書かれています(「本を読む本」・「読みの整理学」など)ので、やはり大事なのでしょう。ポイントは書き手の気持ちになって読むということかと思います。
「学問を勉強する意義」
社会で起きている減少などをどのように理解し、どのように解決に持っていくのか、仕入れた情報と知識を材料にして、考えを深め、実際に役立たせていくこと。
そのためには「普遍化」が大事だということです。そして普遍化のためには異なる事象に共通点を見つけ、関連づけることで本質を捉えるということです。
これは私見ですが、比喩というのも同じ頭の働きかも知れませんね。三島由紀夫や村上春樹なんかは非常に特徴的な比喩を使う作家だと思いますが、彼らは物事の本質を捉える能力に長けているのかもしれません。とすれば、実生活においても見たもの聞いたものを何かに喩えてみる、そんな作業が間接的に本質を捉えることにつながるのではないでしょうか。
「応用する」
学問を現実問題に役立てる際、学問と現実を関連づける能力=「自分なりの答えを出す」と同義。応用力に大切なのは、何か新しい情報・知識に触れたらその話がどこまでほかの事例に応用できるのかというところまで考えることです。一般論と特殊要因を区別し分析する。
さらに、応用力をつけるためには頭にいれたことをいったん「揺らす」。つまり、違う状況を考えて自問自答するということです。そうして、土台を揺すってみてそれでもきちんと答えが出るなら自分のものになっているといこと。
「別の角度から見たり、状況を変えたりしてみて」考えること
「わかる」ということ
勉強していて「自分は分かっていないのかもしれない」と感じる瞬間をどれだけ経験したか、がじつはわかるということ。
こう考えれば、学ぶことはいくらでもあるのだと感じました。自分の心にとどめておきたい言葉たちです。
- 作者: J・モーティマー・アドラー,V・チャールズ・ドーレン,外山滋比古,槇未知子
- 出版社/メーカー: 講談社
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