読みました。
岡田育さんという方のエッセイ集です。
本名は岡田育子さんですが、こういう活動をしている時のお名前は子をとって名乗っているとのこと。
名前についてのお話もこの本には書かれています。
この本のハジというのは恥では無く、端の意味。
いわゆる世界の真ん中や常識と言ったものからは少し外れた、周縁とも言えるハジ。
そんなハジな部分がその人の普通であり、最も大事な部分でもあることが、本書を通して滲み出ています。
そんなハジに対する愛。
本書を読むと、こんな風でもいいかな、と肯定されている気がします。
読んでいて心地が良く、ホッとする。
だれを蔑むでも無く、避難するでも無く、自分にはこんなところがある、といわば淡々と、でも瑞々しく書かれている文章を読むと、こんな文章を書くことができれば、どんなにいいだろうか、と思います。
陳腐な意味ではない共感というのは、こう言ったある種ニュートラルな書き方だからこそ、読む人に伝わるのかと思います。
強いというのは、負けないことでも、相手を負かすことでも無く、自分に芯を持つことなのだろうなと思わされます。自信をなくすこともあるかもしれない、それもまた自分。そんなハジな部分を愛することができれば、本当の強さが手に入るのかもしれません。