pleetm's blog

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ある男 平野啓一郎

読みましたので感想を。

あらすじはいろんな書評に書かれていると思うので、省きます。

 

人を愛するのに過去は必要か?
愛する側としては必ずしも必要ない。現在のその人に過去も表れているはず。
だから、今のその人を愛することができれば、それはすなわちその人の過去を含めて愛していることになる。
ただ、人によっては、その人の過去を知ることでより深く愛することができるようになるかもしれないし、
逆にその人に対する愛が減ってしまうかもしれない。
それは過去がどんなものであるかにもよるかもしれないし、
またその過去を愛する側が受け入れることができるかどうか、によるかもしれない。
 
逆に愛される側から考えてみると、
自分の過去も含めて愛してほしい、と考える人と、
今の自分を愛してほしい、と考える人にわかれるように思う。
例えば、過去に犯した過ちを背負っている人が、その過ちも含めて愛してほしいと思うかもしれないし、
その過ちのことは知ってほしくない、そこには触れないでほしい、と思うかもしれない。
 
ただ、僕が思うのは、どちらだったとしても、その過去はその人に間違いなくあり、
隠したい、話したくないという自分も含めて今の自分になっているように思う。
それは、やはり愛する側からすれば、現前に表れているものを見て愛しているのではないか、
と思います。それはすなわち、「今」に「過去」が含まれていることになるのではないかと思う。
 
そう思うと原敬もその妻もその4年間にすべてが入っていたと考えてもいいのではないでしょうか?
少なくとも僕はそう信じたいです。
ある男

ある男