pleetm's blog

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風蘭(岡潔)

風蘭 (角川ソフィア文庫)

 最近岡潔に注目が集まっているようです。

森田真生さんもそうですし、著作も復刊されています。

それほど、岡先生の思想が現代の日本に必要とされているものなのだと思います。 

この「風蘭」も50年以上前の著作。しかし、その思想は古くなるどころか、鋭さを増し、現代日本の欠点を的確に指摘していると思います。

しかもその視点は、世界的、客観的です。でも冷たくない。自分のふるさとを照らしてくれているような温かい視点。ここに戻ればいいんだと感じさせてくれます。岡先生の本を読んでいるとそんな優しさを感じます。

本作では特に教育についてページが割かれています。学校教育だけでなく、誕生からの躾、父親、母親のあり方、性別ごとの特性など、幅広いです。

また、岡先生の思想は多くが仏教に根付いています。仏教は非常によくこの世を記述できている思想と感じることができます。宗教という観点でなく、思想体系として。

この本を読んで、大事にしたいと思ったこと。これは岡先生が何度も何度も言っているけれど、「情緒」。

すみれの花はいいなぁ。と思えること。それが情緒だと言っています。なぜいいと思えるのか、それはわからない。先に「いいな」が存在して、人間はそれを感じ取って、いいなと思うのだと思います。その「いいな」を「ある」と確かに感じること。この感覚に入っていくことが非常に重要であり、それそのものが人間の喜びでもあるのかもしれないと感じます。

読む方それぞれに何か感じられるものがあると思います。

風蘭 (角川ソフィア文庫)

風蘭 (角川ソフィア文庫)