pleetm's blog

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パン屋再襲撃

読みました。村上春樹さんは、言葉では直接表現できない、心のもやっとした輪郭みたいなものを、人のやりとりや状況の描写などをうまくつかって表現している方なのだと思いました。これが多くの方に支持される理由ではないでしょうか。
 
使われていることばそれぞれは理路整然とならんでいて、一見無機質です。ただ、それは一つのことばの大事さをよくわかっていて使い方に神経を配っているのだと思いました。自分が表現しようとしているものを自分のことばで傷つけないようにしているのかもしれません。
こういうのって昔はなんだかよくわからなかったけれど、いまではそう思います。
 

きっとそのずれは、最初のうちは目にも見えないような微小なものだったのだろう。しかし、時間が経過するに従って、そのずれはどんどん大きくなり、やがてはそもそものあるべき姿が見えなくなってしまうような辺境に僕を運んできた。

 
この感覚、すごくよくわかります。自分の場合はそれが怖くて、いつも、世間一般で言う「ふつう」との距離を推し量ってきたような気がしています。意識的にそうできている部分は「ふつう」との距離感がわかるのですが、無意識的にずれているものは果てのない辺境まで行っています。普段はそのことに気がつかない。けれども、なにげない会話のふとした瞬間などにそお無意識のずれが意識上に現れることがあります。現れて初めて気づいて、自分にこんな部分があったのかと気づくわけです。

 

パン屋再襲撃 (文春文庫)

パン屋再襲撃 (文春文庫)

 

 

 

パン屋再襲撃 (文春文庫)

パン屋再襲撃 (文春文庫)

 

 

 

パン屋再襲撃

パン屋再襲撃