読みました。
そこまで深く考えていなくても、人生がなんとなく不安という人は心に残る言葉に出会えるのではないでしょうか。本書が特に素晴らしいのは、人生ではこういう風に考えていくのがいいんですよ、といったことだけでなく、そのためにはどういった行動を取っていけば良いのかを示している点にあると思います。その具体的な方法というのが「行」です。
悩みや不安とは
悩みや不安は繰り返し襲ってくるという性質を持つ。その漠然とした不安や本質は
「どうせ死ぬのになぜ生きるのか」という問いだといこと。
→生きることの意味づけとは?自分の場合はそこまで根源的に考えたことはなかったと思いますが、無意識のうちに避けてきたのかもしれません。根源的な問いを考えてみることで自分の今の不安感に対しても見え方が変わってくるかもしれません。この根源的な問いに自分が対峙することになるのはもう少し年齢を重ねた時かもしれません。
方便こそ究竟なり
実生活で立派に振る舞い、周囲の人を幸せにしていくような行いが真の悟りへの道である。
姿勢を整える
姿勢の安定と心のあんてはシンクロする。そのために「行」が大切。
ただやる
効果を知識として知ってしまうとわかったつもりになり本来の効果が失われてしまう。得られるものは感覚的な経験であり、言葉になるものではない。言葉にせず、ただやることで言葉で説明できる限界を超える。これが人生を生き抜く力になる。
→自分は言葉に頼りすぎてなかったか。成功者が遠く離れて見えるのはこのやるかやらないか、やり続けたか途中でやめてしまったかという差にあるのかもしれません。自分は何か継続してやり続けているか。
心は自分ではない
心は瞬間ごとに変化し続けている。
心を「付き合いにくい隣人」として捉えることで自分の心と向き合い「自分の心」の揺れを客観的に捉える。
怒っているときは「怒っているぞ」と心の中で3〜5回ゆっくりと心の中で唱える。
→これは会話の途中でも応用できそうですよね。
心の基準点をあげる。
心の基準点をあげることで怒りや不安といった乱れのセンサー感度が上がる。そうすることで心の掃除がやりやすくなる。
いつも心を明るい状態に維持し続けるわけではない。一日に一瞬でも「行」によりそんな時間を作る。それが心の基準点をあげることにつながる。そして、心の明るさは自分で作るという自信を作る。これはその後の人生で大きな自信になる。
「行」の効果
自分という意識が消えていくこと。そうすることで心が軽く、明るく、爽やかになる。そのためには、対象と同調するということが重要。
「冷めた態度」
これはむしろ固定観念に強くとらわれ、現実を直視できなくなった状態。自分の目の届かないところで世界が大きく変化し続けていることに想像力を働かせることがどんどん難しくなる。
「行」によって自分自身が明るく、爽やかな気持ちになると自然と相手と遊び戯れたくなる。その上で忘れてはいけないことは「自分自身が楽しむ」ということ。
こういう風にして周りに良い影響を与えていきたい。自分が楽しくて周りが気持ちよくなる。これがなかなか実感としてわかりません。具体的にはどんな行動なのでしょうか。周りの気持ちいい人を観察するということが大事なのでしょうか。頭だけじゃダメですね。まだまだです。
どうせ死ぬのになぜ生きるのか 晴れやかな日々を送るための仏教心理学講義 (PHP新書)
- 作者: 名越康文
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2014/12/26
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る