読みました。
特に働かない若者たちというところに惹かれてよみました。
なぜ労働から逃げているのか。内田さんはこう言います。
青い鳥(=クリエイティブでやりがいのある仕事)を探しに行く人は雪かき仕事に対する敬意が欠けているのではないか。
当人にどんな利益をもたらすかではなく、周りの人たちにどんな不利益を抑止するか、という観点が欠けているのでは?
生き方には、自分の成功を求める生き方と周りの人にささやかな贈り物をすることを大切にする生き方がある。
そして、
「こんな仕事は早く辞めたい」と思ってやっていたら、周りの人の期待に応えてできるだけ良い仕事をしようというモチベーションはあまり働かないし、そういう人が今働いている職場で高い評価を得ることも難しいでしょう。
そんな人が「キャリアアップ」などといって良い仕事に就けるでしょうか?それは主観的には「キャリアアップ」かもしれない(自分を納得させているだけ)けど、実際には、信頼されないために仕事が回ってこず、耐えきれず転職というプロセスになっていないか?」
ここでベストを尽くすことを拒否しているうちにどうにも身動きならなくなってしまったのではないか?
自分にとっては本当に耳が痛い話ですが、その通りです。しかも、
少なくとも「転職したくなるような仕事」を選んだのは他でもない、自分なのだ。自分の失敗の責任を迂闊に他人に押し付けて自己正当化してはならない。
そうなんですよね。自分で選んだことなんです。そこで生きることを一度は決めたんです。それも自分が。
正論すぎて言葉もありません。ただ、どこか優しさがあるのが内田先生ですね。
下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉 (講談社文庫)
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 講談社
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