読みました。
僕自身は、村上春樹さんの本をあまりたくさんを読んでいないし、正直読んでもよくわかんないな〜なんて思っていたクチなので、解説してくれるんなら…という気持ちで読みました。
文中、批評家はその批評によって、対象の作家の本を読ませたくなるようにしなくちゃならないというようなことが書かれていたと思いますが、まさに批評が成功しており、村上春樹の本を読ませたくなるように仕上がっていると思います。それだけでこの本は大成功ですね。村上春樹ファンよりもむしろ読まず嫌いや一度読んで諦めた人にすごくぴったりの本ではないでしょうか?
自分の指針にしたい言葉をひとつ。
「生きている間にがんばって、その「つながり」を自分抜きでも機能するようにしておく…というのが「霊的成長」ということではないかと思います。」
僕はこの言葉に意表を突かれるというか、これが向かう方向なのだと感じました。
仕事をしていても、あの人ができなきゃわからない、進まない。という状況がありますよね。その自分が不在による滞りにより「あの人」は自分の必要性みたいなものを再確認、愉悦に浸るという場面があると思うんですけど、これって非常に幼い自己満足感なんですね。しかも実際には「あの人」はいなくても仕事って進むし…。
逆に、自分がいなくなってもうまく回るシステムをつくっておくこと、自分以外の人と人を繋いでおくこと、それが本当の自分の役目なんじゃないでしょうか?自分以外の繋がれた人たちは、いつか自分がいなくなってもうまく回っていることに気づく(気づかないかもしれない)。それが自分の存在を証明するということにもなるんですね。そう考えると、物事に対する姿勢って変わる気がします。自分がいなくなった後に残すべきは他人への迷惑じゃなく継続したシステムなんですね。このことは、人間関係から仕事の成果など、いろんなところに適用できる関係性なんじゃないかと思います。
ほかにも覚えておきたいフレーズ。
誰に支持されたかによってその作物の社会的性格が決定されるという推論には合理性がない。
ほかにもあるんですが文脈の中で読まないと理解できないものが多いですね。
「食欲をそそる批評」になったでしょうか?
気になった方はご一読を。
さて、話は変わって、たまたま見つけたCD。
こんなかっこいいのいたんですね。しびれました。他のアルバムも聴いてみたいと思います。