読みました。
森博嗣さんの作品です。
森さんの著作はエッセイなどを読むことが多かったので、ミステリは初めて読みました。
ドラマにもなっているので知っている人も多いかもしれません。
さて、本作は天才プログラマのおこした殺人事件を犀川と西之園萌絵の2人の主人公が解決に挑むという話。
ミステリなのですが、ところどころに出てくる犀川の言葉が心に残ったという人も多いのではないでしょうか。
例えば、
「人生のやり直しができない、と思ったことは一度もない。それは、まだ自分が大人になりきっていない証拠のようにも思われた。日常、自分の身の回りで発生する些細な摩擦は、体温を保つために必要な運動なのかもしれない。嫌なことは相変わらずたくさんあるが、我慢できないことは歳とともに減少している。しかし、それとともに、嫌なものの対象は、他人から自分の内側へと向かっていた。周囲との摩擦を避け、ごまかしている自分が、どんどん嫌いになっていきそうだった。」
なんとなく、外部に対して無関心になっていく自分。その方が過ごしやすいのだけれど、外から与えられている情報に対して真剣に向き合わなくなっていく。それは自分から何かを奪っていっているような感覚を覚えます。できればいろんなことに真剣に向き合いたい、めんどくさいかもしれないけどそれが大事なんじゃないかと思います。子供のような大人でありたいと感じる文章でした。
すべてがFになる THE PERFECT INSIDER S&M
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/09/28
- メディア: Kindle版
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