本田稔 空戦の記録
読みました。
「永遠のゼロ」をよんでからというもの、零戦搭乗員の方々の本が自然と目に留まるようになり、読みふけっています。
本作もそのうちの一冊。
本田稔というかたの戦中記をうまくまとめられています。
他著からの引用も多く、本田稔さんをとおして戦争のなんたるかを把握するには非常に良作と思います。
特筆すべきは、
戦争といえば玉砕覚悟で突っ込む、とか、死を恐れず天皇万歳とか、そういうイメージが大方なのでしょうが、
実際には、生きてかえる、という事を非常に大事にしていたという事です。特に操縦の技量が命に直結していてその熟練にも非常に時間や訓練が必要なので、搭乗員ひとりひとりが非常に大事な人財と考えられていたのでしょう。
また、戦闘機乗りといっても、非常に若いんですね。二十歳そこそこで命をかけて戦っていたんですね。文字通り、青春を懸けて戦っていたという事です。
そして、戦争を物語るのに忘れてはいけない特攻。
必ず死ぬのだから、怖くない訳がない。それでも、国を守りたい、愛する人を守りたいと想い、多くの青年たちが命を捧げたという事実。この事実には胸をうたれます。
戦争はだめだとかなんとかいろいろいわれてますが、この事実が今、僕たちが一番大事にしなければいけないものを教えてくれている気がします。
余談ですが、この本について文句を。
スマートすぎて非常にもったいないです。
それでも心に訴えかけるものがあったのは、本田さんの人柄ではないでしょうか。
材料がいいのに料理の仕方がまずいとというたとえがピッタリになってしまっています。
誤字脱字がおおいのもマイナス。
せっかくいい本なのに、もう少し丁寧にあつかってほしかった。。。