pleetm's blog

日々考えた事や読んだ本について書くブログです。自分の書いたことって相手にどう伝わるのか、興味があるので、お時間ある方はコメントしていただけると嬉しいです。このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。

ヘヴン

読みました。 物事には意味がある。だから、この辛い出来事は自分への試練なのだ、これを乗り越え、克服することで私は成長するのだ。 もっともなことのように聞こえるかもしれません。だけど、この小説はその違和感にまっすぐに向き合います。 この、何事に…

宇宙と人間 七つのなぞ

読みました。 湯川秀樹は話が面白いです。今どき、面白い学者さんや研究者さんはたくさんいらっしゃるとおもいますが、当時の学者にしてはとても珍しい気がします。 理論物理といった、ある種人間の感覚を超えた分野ですから、多くの人はそんな分野の学者な…

〈責任〉の生成ー中動態と当事者研究

読みました。 中動態についての説明はここでは完全にはできませんが、能動態でも受動態でもない中間地帯があるというのは想像できるかと思います。例えば、カツアゲをした人がいる。カツアゲをするのは能動的な行動だから、当人の意思によってなされたもので…

芸人迷子(ユウキロック)

よみました。 M-1グランプリの決勝進出も決まり、また熱い戦いが繰り広げられます。 M-1グランプリが始まってから、お笑いがスポーツ的になってきたように思います。 本来争うことができるものではないはずの「笑い」というものを競う大会。 それによって、…

喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima

読みました。 正直に生きることの尊さ、対象にまっすぐに向かい合うことを思い出させるような小説でした。 理系で研究に携わったことのある人は懐かしさをかんじるかもしれません。そうそう、この感じわかるなぁ、と思います。研究を通じて、発見に自分が一…

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬

読みました。 オードリー若林の旅行記。 もはや若林さんとちゃんと呼ぶべき作家さんかと思いました。 キューバでは「命を使って生きる」ことの大事さを、自分が苦しんでいたのは、日本の「世間」という名の信仰であったこと、そして、彩り豊かに生きていくた…

シン・ニホン

読みました。 ここまでしっかりとデータに基づき議論をする土壌が日本にはなかなか根付いていないのが残念でしょうがないです。政策立案というのは、データと分析を積み上げて形成されるべきだと思うのですが、なかなかそうはいっていないような気がします。…

太陽と乙女

よみました。 森見登美彦さん好きなら読んで楽しいこと間違いなしです。 本人はエッセイ苦手と言ってるけど、めちゃ面白いとおもいますし、小説の種になることをこんな風に見つけているんだ、とその観察する角度や深度がとても面白いです。 森見さんの原点は…

書きあぐねている人のための小説入門 (中公文庫)

読みました。 小説とは何か。ひとはなぜ文章を書きたいと思うのか。 本書ではそれがどこまでも個人的な行為である、ということをさまざまな観点から述べられています。小説の原型となるのは、「個」が立ち上がってくるところから。つまり、小説は何か、伝え…

落日燃ゆ

読みました。 昨日8月15日が終戦の日でした。 今年戦後75年を迎え、日本が戦争をしていた、ということを考える空気感がなんとなく薄らいでいるような気がしています。その当時、何が本当にあったのかを知ろうとすることが今の日本で起きていることを知…

非社交的社交性

読みました。 おそらく誰もが自分の気にいる人とできるだけ多く関わり、気に入らない人とはできるだけ距離をおいて暮らしていきたいと思うのではないでしょうか。その思いと同時にそれがどれだけ難しいことかということも痛感しているのではないでしょうか。…

サロメ(原田マハ)

読みました。 皆さんはどうしても欲しいものがあるでしょうか?そしてそれがどうしても手に入らないものだとしたら、それを納得して受け入れることができるでしょうか。それを手に入れようとしてやったことが逆効果だったということを、どこで選択を間違った…

Ank: a mirroring ape

読みました。 読み易く、面白かったです。 グングン引き込まれて次へ次へと読まされるのですが、文章の筆致というのでしょうか、地の文はすごく端正というか落ち着いていて、雑ではない、そんな筆者の丁寧に描写しようとする意図がすごく感じられます。 それ…

勉強の哲学

読みました。 これを中高生の時に読んでいたら、勉強することが何かで迷わなかったと思う。ぼくは勉強していてもな「なんでこれをしてるんやろう?」と思いだしたらそっちに行ってしまって、今やっているのが何に役に立ちうるのか、どう社会に適用できるのか…

僕ならこう考える―こころを癒す5つのヒント

読みました。 僕は割に吉本隆明って人が好きで、難しいと言われているそうなのですが、自分にとっては全くと言っていいほど、わからない部分はないと感じます。もちろん、それは自分の思い込みだったりして、わかっていない部分もあるのだと思うけどちょっと…

なんで僕に聞くんだろう。

読みました。 幡野さんは写真家だそうですが、がん患者でもあるそうです。そんな幡野さんが日本中から寄せられる質問に自分なりに応えている本です。ただ、写真家だから、がん患者だからというところから本書を読むと大事なことを見落としてしまうと思います…

よみがえる力は、どこに

よみました。 城山さんは戦中派(10代の多感な頃に終戦を迎えた世代)です。これまでの常識がひっくり返る、という非常に稀有な体験をされている世代と考えることもできて、この世代の方の特徴として、「自分で考え抜く」ということがあると思います。それは…

そうか、君はもういないのか

小説家?文筆家?である城山三郎さんの本。 自分の妻である、容子さんとのエピソードを綴られています。 本書の中で容子さんはとても愛くるしく、描かれており、城山さんは容子さんのこの天真爛漫さにいくら救われただろう、その屈託なく生きる感じがいくら…

子どものための哲学対話

よみました。 哲学って何だろう。考えるって何をすることなんだろう。勉強することとどう違うんだろう。小さいときにそういうことを何気なく疑問に思った人も多いのではないでしょうか。 この本は、小さな子供だけでなく、何かに迷ったり、悩んだりしている…

私をくいとめて

綿矢りささんの小説です。 彼女の小説を読むと、同じことかけそうで書ける人は二人としていない、と強く思わせられます。 それは、なんてことのない日常を切り取っているのだけれど、そのリアリティや切り取り方が他の人の追随を許さないものになっているか…

坊さん、ぼーっとする。

ありがとうって言わなくてもいいよ。という言葉を長女からかけられたというエピソードが語られていました。 詳しくはどんな文脈かわすれてしまった、その言葉だけを覚えている、ということだったのですが、自分もここを読んで非常に印象に残りました。 たぶ…

あなたの知らない脳

読みました。 プログラムが急速に進化した後、わかってきたことはジョークを理解したり、友達を見分けたりといった「単純な」問題を解明する方がよっぽど難しいということだそうです。私たちが迅速に、無意識にお、効率的にやっていることはモデル化が難しく…

天才はあきらめた

読みました。 良い本です。こんなに努力家の人いません。本人は嫉妬のエネルギーと言っていますが、そこまで努力できる、それ自体がが才能やないか、と思います。 相方とコンビを組むたびに、何度もやってしまう暴君山里。じぶんでも抑えきれずにそのモード…

手のひらの京

読みました。 京都に住む三姉妹、綾香、羽依、凛。それぞれに性格が違って、それぞれに生き方も違う。そのそれぞれの心情が丁寧に描かれていて、それぞれに家族、自分を大事にしていて、故郷に対する思いを持っている。それぞれに繊細で、愛があり、互いに思…

森毅ベストエッセイ

よみました。 もう五年前ですね。「数学受験術指南」を読んでたんですね。森さんの本はいつもゆるくて、でも本質をついていて、それでいて厳しくも優しくて、ためになる。そんな言葉がたくさんちりばめられています。 「なぜ人は生きているか」なんていう、…

献灯使

表題作を含む短編集です。 人間がいなくなった世界、人間がもはや人間としての形を成していない世界が描かれます。そのような世界の描写を通じて、「人間的なものとは何か」が浮き彫りにされていくような感覚です。そして、決して絶望的ではなく、そこにはそ…

転職と副業の掛け算

読みました。 転職や副業を考えている方だけでなく、そうでない方も読んでみると、その組織の中でどのように働くべきか、ということに意識が向くようになると思います。 本書の著者の方も転職や副業をされています。ただ、それをすべての人に押し付けている…

本屋、はじめました

「本屋、はじめました。」 自分もそう言いたい。読んでいると、自分ならどんな本屋を作り、どんな場所にしたいか、と考えてしまう。それを考えていると、自分と本との関わりがどんなものだったか、が自然と思い出されます。 僕は結構田舎で育ったので、そん…

虐殺器官

よみました。 読んでまず思うのは、ストーリーの疾走感。テーマは重いにも関わらず、一度読み始めると読者の目を次の文へと引き込む工夫が随所に見られます。例えば、能動態の多用。能動態の短文を続けると、読み手には前に前にいく疾走感が生まれると思いま…

「聞く力」こそが最強の武器である

読みました。 「元外交官の」と書かれていたので、興味を持ちました。 内容としては、「人の話を聞く」力について、よくある話や科学的な知見をうまくまとめて読みやすくした本です。心構えはよくわかるとおもうので、ざっくりと知りたいという方におすすめ…